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台湾行政院(内閣)国家衛生研究院行政所所長
ョ 基銘(らい きめい)医師

【経歴】
1952年、台湾台中県生まれ。
1978年、台湾大学医学院卒業。長庚医院放射線腫瘍科医長、
アメリカ国家衛生研究院ガン研究所研究員、
台湾国家衛生研究院癌病研究組副研究員兼院長特別助手、癌病臨床共同研究組織主任、台湾大学医学院癌病病棟医長、台湾癌病基金会CEOを経て、
2004年から台湾国家衛生研究員行政所所長に就任。

ョ 基銘(らい きめい)医師
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2008年8日9日、台湾中華国際癌病康復協会のご招待を受け、「2008複方THL国際研究討論会」に出席して参りました。その際、「抗がん漢方によるガン抑制メカニズム」をテーマとして、講演をなさった台湾がん研究専門家・台湾国家衛生研究員副研究員に、今後のがん治療について、お話を伺って参りました。

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大屋 最近「統合医療」や「代替療法」などの治療法が脚光を浴びているようですが、多くの疾病の治療は伝統の西洋医学の治療から、中医学から生まれた漢方療法や、ヨーロッパ諸国で使われるホメオパシー療法などがさかんに利用されるようになりました。その背景について教えていただけますでしょうか。
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頼先生

医学は日進月歩のなか、いままで経験医学とされがちな漢方やハーブなども科学技術の進歩によって、薬理作用が解明されるようになってきております。

特に西洋医学の治療成果の出にくい慢性疾病の治療においては、漢方などの自然療法の作用が認められ、世界各国で評価されています。こうした背景から、西洋医学の不足を補う治療方法として、漢方療法などの身体に優しい自然なもの、身体にダメージを与えない治療が求められるようになりました。特に近年のがんおける応用法もさかんになってきたため、CAMという言葉が一躍注目のマトとなりました。

CAM(Complementary and Alternative Medicine)とは、漢方・鍼灸、サプリメント・健康食品、ホメオパシーやアロマセラピーなどを総称した治療法を指します。日本語訳は「相補代替医療」と呼ばれています。

CAMが多くの医師や、専門家が積極的に賛同してきている背景から、患者さんの治療の選択肢も広がったのではないかと思われます。

 講演会で語る頼先生
参加した医師たちと撮影(左から二人目)
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大屋 CAMについてより分かりやすく説明して頂けますでしょうか。
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頼先生

CAMにおけるがん治療においては、西洋医薬の領域では、実際に足りない部分が多くあるため、より多くの治療方法による結合治療が必要とされてきました。現在において、西洋医薬が最大な困難に遭遇したと思われています。

そのため、「相補代替」による治療法が求められ、必要とされてきました。つまり、臓器ごとでみる西洋医学に対して、人間丸ごとみる漢方療法と組み合わせた結合治療が必要です。「補完代替療法」が最近のがん治療において、新たな傾向となっております。

また、多くの先進国も後を追うように、積極的に取り入れている治療法です。その目的は、やはり標準治療におけるがん治療のほか、また可能性の分野において、満足のできるがん治療のいわゆる成功する治癒率を求められる治療法です。

参加者と語る頼先生
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大屋

CAM・「相補代替医療」の役割がよく分かりました。西洋医学、「相補代替医療」におけるそれぞれの病気の役割についてご説明を頂けますでしょうか。

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頼先生

そうですね、先程お話ましたように西洋医学は実験データを重視する医学であるため、病気を診て患者さんを診ないと批判されているなか、下記の表をご参考頂ければ、西洋医学とCAMの役割がわかるのではないかと思います。

西洋医学
疾病
相補代替医療
抗がん剤治療による副作用 癌病 漢方は免疫力を高め作用があり、身体へのダメージが少ないため、治療において、精神的落ち着かせる作用もある。
痛み止めの使用によって、嗜好性に陥りやす 頭痛
慢性疼痛
鍼灸治療による治療効果がWHOで認可された。
睡眠薬の服用による、薬物耐性が出やすいため、薬を止めにくくなる 不眠症 芳香療法、座禅、瞑想などは、ストレスの緩和や、情緒を安定させる作用がある
リハビリなどの物理治療 神経痛 整骨、マサージ治療
症条を抑える対症療法 アレルギー症 漢方、貼り薬などの体質改善による治療
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大屋 とても分かりやすいご説明ですね。では、がん治療において、台湾も多くの漢方が利用されていると思います。また、先生も多くの新薬試験を携わってきたなかで、お勧めの漢方療法または信頼できるデータをもつ漢方について、ご紹介頂けますでしょうか。
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頼先生

私の研究チームで実行してきた内容からお話をしますと、複方抗がん漢方「天仙液」のがん抑制の実証でした。

中国政府により漢方薬として初めて抗ガン漢方薬として認定された「天仙液」のガン抑制作用を実験しました。実験では、「急性骨髄性白血病」「乳ガン」「脳腫瘍」「肝臓ガン」の四種類のガン細胞に対して、同薬を投与した場合の細胞の変化を観察、科学的手法により抗ガン漢方薬の効果を実証しました。

実験の結果ですが、白血病、乳ガン、脳腫瘍の各ガン細胞に対して、天仙液がシグナルの伝達経路を遮断し、ガン細胞の分化を阻止する働きが見られました。特に白血病では、同抗ガン薬の投与により、血液中に発生し細胞のガン化を促す異常たんぱく質の縮小と消滅が確認されるなど良好な効果を収めました。

肝臓ガンについては、まだ実験の初歩段階のため、抑制作用のメカニズムはまだ明確にする段階ではありませんが、同薬の濃度が高くなるに従い、ガン細胞が縮小することが確認できました。

 博覧会に天仙液が出展
 ブースに訪れた頼先生(右から二人目)
 

そのため、同薬投与によるガン細胞の縮小は、四種のガンに共通していることがわかりました。

この実験の総括としまして、天仙液には、ガン細胞へ直接働きかけるマルチターゲット的効果があり、再発・移転の防止に期待が持てます。同時に、放射線治療や化学療法と併用した際には、それらの効果を上げるとともに、副作用を軽減する働きがあることが発見できました。

現在、ガン治療の最前線で活躍する医師たちは、これまでの西洋医学主導型の治療から、西洋と中国医学を結びつけた中西医結合医療、代替療法も含めた「統合医療」を柱となるには、いくつかの課題を乗り越える必要があります。

現在の医療は、EBM(実証データをベースとした医療)が主流となっています。漢方が、ガンの統合医療の中枢となるには、その効力を理論として明確にする必要があります。長期間の服用でも副作用がないということも、臨床で実証しなければなりません。こうした観点から見ると、私の個人的な見解ではありますが、天仙液は統合医療の有力候補となる条件を備えているといえます。

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大屋 西洋医薬の治療に満足できない患者さんでしたら、試す価値のある漢方ではないかと思われますが、今後のがん治療において、患者さんになにかアドバイスを頂けますでしょうか。
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頼先生

アメリカでは統合医療に掛ける費用は標準治療(西洋医薬)に比べ、多いとされています。

セカンドオピニオンを求め、統合医療による治療法の応用などでは、新たながん治療の選択肢になりつつあります。つまり、標準治療におけるがん治療のほか、また可能性の分野において、満足のできるがん治療法として、CAM(相補代替医療)の活用も視野に入れて、治療に望んで頂きたいです。

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